鹿児島のエッセー漫画家・つくしゆかさんが9月20日、初のコミックエッセー本「極度の心配性で苦しむ私は、強迫性障害でした!!」を燦燦舎(さんさんしゃ、鹿児島市川上町)から刊行した。
強迫性障がいは「ドアに鍵を掛けたか」「鍋を火にかけたままかもしれない」「手が汚れていないか気になる」など、「ささいなことだとわかっていても確認をやめられず、日常生活に大きな支障を来す病気」で、「有病率は人口の1~2%、日本には100万人いるといわれる。18歳以下で発症することが多く、小学生のときから悩み始める子どももいる」という。
つくしさんは19歳で同病を発症。看護師として病院や介護施設に勤務していたが、同病のため職を失い、自死まで考えたという。その16年にわたる闘病経験を4コマ漫画に描きツイッターやブログで発表していたところ、「予想以上に共感の声をもらい、書籍化を希望する人も多かった」ことから同社に企画を持ち込んだ。
書籍化に当たり、初めて4コマではないストーリー漫画に挑戦。「コマ割りや演出がとても難しかった。さらに目に見えない心の病なので、どのように表現したら心情の変化や葛藤が読者に伝わるかという部分がとても難しかった」と振り返る。深刻な場面には「ギャグを交え、絵柄をポップにするなどの工夫を凝らした」とも。
つくしさんは「強迫性障がいを患う人やその家族・友人の方々はもちろん、心の病を抱えた人に読んでもらえれば。同じ病気ではなくても通じる部分は多いと思う。辛い思いをしている方々の心に寄り添えるような本になれば」と期待を込める。「今後もたくさんの作品を発表していきたい。次は別のテーマで自分以外の人の話を聞いてコミックにしていければ」とも。
A5判並製、180ページ。価格は1,430円。鹿児島県内書店・全国主要書店で販売するほか、同社ホームページなどでも注文を受け付ける。