鹿児島で昨年12月26日から、医療機器や医薬品などを搭載した救急医療専用のヘリコプター「ドクターヘリ」が運航されている。
2008年度から具体的に導入の検討が始まり、2011年度中の導入を目指していた。全国では24番目、29機目の導入となる。運行範囲は、県本土、甑島、熊毛地域、三島村、十島村の一部。
ヘリの全長は約13メートル、7人乗り。出動要請があると鹿児島市浜町にあるヘリポートへ、「鹿児島市立病院」(加治屋町)から医師や看護師らが急行する。救急現場に一番近いランデブーポイントまでヘリで飛び、現地で初期治療を開始するとともに、治療しながら浜町のヘリポートに帰投後「鹿児島市立病院」に車両で搬送、または病例にあった医療機関に近いランデブーポイントまで飛び車両で搬送するシステム。ランデブーポイントは県内に646カ所(1月13日現在)ある。
12月27日から要請が相次ぎ、1月11日までの16日間で19件の出動要請があった。19件のうち6件がキャンセル、10件が現場からの搬送、3件が医療機関などの施設間搬送だった。
医療機関から医師が直ちにドクターヘリに乗り込めることが望ましいため、現在の運航は暫定期間とされている。鹿児島市立病院は2015年の移転開院後、屋上にヘリポートを併設予定。原則として8時30分から日没前までが出動可能時間とする。運航時間外は鹿児島空港に待機する。
「運航に関する検証は今から。病院とヘリポートが離れていることでロスもあるが、ドクターヘリなら助けられる命がある。一人でも多くの命が助かれば」と県保健医療福祉課課長の西井上誠さん。