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商店街の「ストリート・ピアノ」から被災地に歌声を-14時46分に同時演奏

鹿児島中央駅そばの一番街商店街、アエールプラザの広場に設置されている「ラッキーピアノ」。地元の商店街とデザイン専門学校生が協力してペイントを施した。

鹿児島中央駅そばの一番街商店街、アエールプラザの広場に設置されている「ラッキーピアノ」。地元の商店街とデザイン専門学校生が協力してペイントを施した。

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 鹿児島県内の商店街に設置されているストリート・ピアノ「ラッキーピアノ」を用い、被災地に向けて復興の願いを込めたミニコンサートが3月11日に行われる。まちづくり団体「まち自慢快発考舎」の「Lucky Piano音泉(おんせん)プロジェクト」の一環。

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 「ラッキーピアノ」の最初の2台が設置されたのは、鹿児島中央駅の一番街商店街。同団体が商店街を盛り上げるために、月1回行っていた物産展で、さらに盛り上げようとストリート・オルガンを置いたことがきっかけ。子どもたちも集まり、予想以上に盛り上がったことから、(イギリスで実際に行われたイベントからアイデアを受け)ストリート・ピアノを常設するアイデアが生まれた。

 団体の呼び掛けに、たまたま引っ越し予定の家族が応え、2010年12月26日には「思い」の詰まったピアノの寄贈式も行った。商店街と地元のデザイン専門学校生が協力し合ってピアノにペイントを施し、昨年2月26日、一番街商店街で「ラッキーピアノ」と名付けられた2台のピアノがお披露目された。

 誰のものでもないピアノは、商店街を行き来する人たちが自由に音を奏でる。誰かがピアノを弾くと、他の誰かがその音に足を止める。そこで聴き入る人同士の会話やコミュニケーションが生まれる。

「ラッキーピアノは優しい人が住む街じゃないと存在できない。街や地域を盛り上げるのも、一つの事業を成功させるのも、周りを巻き込んで協力し合わないとうまくいかない。みんなが忙しい中どれだけ協力し合えるかにかかっている。このピアノを設置して維持することができるのは、たくさんの協力と理解があるから。地域がまとまるための仕掛けでもある」とプロジェクト代表の岩城茉美子(まびこ)さんと副代表の閏(うるう)ひさみさん。

「地域のみんなで愛して育てていってほしい」と一番街商店街に設置してから約1年、2月25日に霧島市に1台、3月3日には鹿屋市に2台の「ラッキーピアノ」も誕生している。

 ミニコンサート当日は、会場に集まった参加者で震災の起こった14時46分に黙とうをささげ、ピアノを設置している3カ所で同時に「ふるさと」「上を向いて歩こう」を歌うほか、「被災地へピアノを届ける会」(宮城県仙台市)への寄付を呼び掛ける。

 場所は鹿児島中央駅一番街商店街・アエール広場(鹿児島市中央町、14時~)、国分パークプラザ(霧島市、13時30分~)、鹿屋商工会議所駐車場(鹿屋市、かのや産業フェスタ会場、14時~)。

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