自然や農業、食や環境について1年を通して体験・学習することができる施設「グリーンファーム」（鹿児島市喜入一倉町、TEL 099-345-3337）が11月15日、オープンする。

　鹿児島市では、「多彩な体験、温かい交流による心身のリフレッシュと農村地域の活性化」を目標に掲げ、「グリーン・ツーリズム」に関するイベント、農家民宿・民泊や市民農園の紹介などを行っている。同施設はグリーン・ツーリズムを推進するための拠点施設として開く。

　2.1ヘクタールの農地のほか、農産物直売館や農園レストランなどのグリーン・ツーリズム関連施設、キャンプ場（元・喜入の森キャンプ場）、山中の遊歩道などを含め、総敷地面積は約41.3ヘクタール（＝東京ドーム約9個分）。「最近は体験農業や田舎に宿泊するなどの『体験型観光』が注目を浴びている」と園長の上川広幸さん。「農業公園だけでなく新たな観光施設としても位置付け、利用者は、市民はもとより県内外の観光客も見込んでいる」という。

　施設の一角には、簡易宿泊所と駐車場を備えた農園20区画を設け、県として初めての「滞在型市民農園」を併設する（年契約、最大3年）。イベントやプログラムで利用する体験用農地では、作物の植え付けや収穫ができるほか、施設内のキッチンで調理・試食など、「農」から「食」までを学ぶことができる。環境学習棟には豚舎があり、園内から出るゴミを飼・肥料や燃料にし、極力外に出さない循環型農業の仕組みを学ぶことができる。

　現在のところ、体験農地は有機農法で進める予定で「継続して取り組むことができるようになれば、有機農業体験の場として新たなPRポイントになると思う」と上川さん。「グリーンファームは、農業・環境・観光の3つの位置付けを持った公園。市町村合併後、市にたくさんの農地ができた。そのフィールドを生かさなくては」と意気込む。

　同施設では今月18日までのオープンイベントとして、10を超える体験プログラムを用意する。プログラムは同施設ホームページで確認できる。

　入園料は無料。