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鹿児島の老舗お好み焼き・焼きそば店「かもがわ」が復活-「加茂川」へ

営業を再開した老舗お好み焼き・焼きそば店「加茂川」。1950年創業以来変わらぬ味を提供し続けている。

営業を再開した老舗お好み焼き・焼きそば店「加茂川」。1950年創業以来変わらぬ味を提供し続けている。

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 鹿児島・天文館の老舗お好み焼き・焼きそば店「かもがわ」が2月7日、「加茂川」として営業を再開する。

創業以来変わらない店内

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 1950(昭和25)年創業の「加茂川」は、千綿洋介さんの曾祖母(そうそぼ)の代から続く老舗。2代目の祖母が引退するときに知人(先代)に店を任せ、「かもがわ」という店名で十数年、天文館かいわいに長く親しまれてきた。昨年9月、高齢ということもあり先代が引退。以来、初代のひ孫にあたる千綿さんは「何とか続ける方法はないか」と模索していた。

 「自分には飲食店の知識が全くなかったが、小学生のころいつも見ていたあのにぎやかな雰囲気をもう一度見たかった」と千綿さん。知人である大迫友一さんに店を任せることが決まり、約5カ月の準備期間を経て「加茂川」として復活した。

 店舗面積は約25坪、座敷席で約30席を設ける。店内のリニューアルは天井や畳を張り替えたくらいで、ついたてや壁、欄間もそのまま。創業以来の味を守るため、鉄板付きのテーブルも引き継ぐ。営業再開を聞きつけた歴代のファンたちが足を運び、「学生のころのたまり場だった。復活してくれてうれしい」と、変わらない店の雰囲気にホッとした表情を浮かべるという。

 メーンとなるお好み焼き(900円~)や焼きそば(700円~)に使うソースは「迫醸造店」(山之口町)のデコーソース、焼きそばの麺は「フクヤマ食品」(日置市伊集院町)のもので、どちらも創業以来使い続けているという。肝心のレシピは先代の頭の中にあるため「口頭で時間をかけて引き継いで、曾祖母の時代から受け継いできた味をよみがえらせることができた」と千綿さん。店の味を継ぐ大迫さんは「かなりのプレッシャーだが、やりがいを感じる。お客さんが食べて『変わらない味』と言われるのが一番うれしい」と話す。

 食後に、生地を作る時に使う鶏がらスープを出すサービスを始め、酒のつまみになるような鉄板焼きメニューも今後増やしていくという。「受け継いだことを守りながら、新しいことも取り入れていきたい」と千綿さん。

 営業時間は17時30分~24時。

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