鹿児島市で本年度も「街なか空き店舗活用事業」の募集が始まった。募集をする地域は天文館の天文館1丁目商店街(テンパーク通り)で、4つのテナントが対象となり、入居希望者には最高220万円の補助金を支給する。
対象となるのは天文館宇宙ビル、萩原ビル、西橋ビル(それぞれ1階部分)、テーラー仲間ビル(2階部分)。昔からブティック通りとしてメンズファッション店を中心に栄えたテンパーク通りだが、現在も市の補助金事業をきっかけにするなど、初めて商売を始める若者が洋服や雑貨店としてテナントに入る例も多いと言う。
テンパーク通りは天文館で唯一アーケードのない通りで、歩道に芝生を設置したり、桜の木を植えたりするなど、「結束の強い通り」と話すのは、同通りに30年以上店を構える「N.collection(エヌ・コレクション)」オーナーで、同通り会の長渡(ながと)誠一理事長。「初めて来てもすぐに打ち解けられ、周りの元気な若い人たちがサポートしてくれる通り。ぜひテンパーク通りでチャレンジしてほしい」と呼び掛ける。
市の発表によると、2011年度の調査で9.9%だった天文館地区の空き店舗率は、2012年度は6.6%へ改善。照国通りでは、新幹線効果や、2012年にオープンした「LAZO表参道」の利用客の増加により歩行者通行量は従来の2.5倍にも伸びたという。歩行者通行量が増えれば、空き店舗への入店率も上がると言う市職員の末吉史郎さんは「街の回遊性を生むようなイベントなどが、功を奏しつつあるのではないか」と話す。「官民一体となって、にぎわいの創出ができれば」とも。
入居希望の相談・問合せはテンパーク通りのウエブ、またはテンパーク通り振興組合か鹿児島市が電話で受け付ける。