1863年に勃発し、その後近代化の道を歩む日本に大きな影響を与えた薩英(さつえい)戦争から150年にあたる今年、それを記念し県内外の講師を招いた合同講演会が9月16日、歴史資料センター黎明館(鹿児島市城山町、TEL 099-222-5100)で開催される。
主催は鹿児島の歴史研究者らが運営する南九州歴史学舎。県外の研究者やイギリスなど、外からの視点で薩英戦争を考えることで、「鹿児島の持つ歴史の魅力を再認識することができ、その魅力を高めたり、保全・継承したりする意識を生む」ことで鹿児島おこしにつなげようと企画した。
講師は、東京大学史料編纂(さん)所教授の保谷徹さん、神田外語大学日本研究所専任講師の町田明広さんら3人。保谷さんはイギリスの視点から、当時の大英帝国がアジアに求めていたこと(具体的には自由貿易)を紹介し、町田さんは薩摩藩の視点から、薩英戦争が薩摩藩の思想や行動、政策に与えた影響について語る。そのほか、薩英戦争が薩摩を含めた日本やイギリスに与えた影響について、鹿児島中央駅前の「若き薩摩の群像」=薩摩スチューデントを中心とした薩英交流を紹介する。
「薩英戦争の影響は日本全国に及んだ。近代日本のターニングポイントとなった薩英戦争を多角的に知ることで、鹿児島の歴史の奥深さや魅力について興味を持っていただければ」と南九州歴史学舎代表の岩川拓夫さん。
開催時間は13時30分~17時。参加費は500円で、定員は230人。事前申し込みは不要。