鹿児島のサッカーチーム「ヴォルカ鹿児島」が現在、新名称を一般公募している。
ヴォルカ鹿児島は鹿児島サッカー教員団を母体とし、Jリーグを目指し1996年に発足。しかし、2004年に経営が悪化し、内部的にはヴォルカ鹿児島は実質破たんと認識されていた。その後、仮の責任団体を設置するなどして、チーム存続に奔走。2007年までに負債を整理した後、2008年から運営団体をKAPSに移し、再びJリーグを目指すタイミングを図っていた。昨年には2003~2004年に監督を務めた前田浩二さんをゼネラルマネジャーとして再び招き、2014年のJリーグ昇格を目指し、2012年に新しいプロサッカーチームを作ることとなった。ヴォルカ鹿児島の選手をベースにするが、「ある意味では『ヴォルカ鹿児島』の解散」と顧問の中島和彦さんは話す。
「名称変更は率直に言うと商品展開など営業戦略上での意味合いも強い」と中島さん。「『ヴォルカ(=火山)』という名前は鹿児島にちなんだよい名前だが、『ボルカ』『ボルガ』などと間違えられることも多く、商標権などの問題もあった」という。Jリーグを目指すためには、ステップ1としてのJリーグ準加盟とステップ2としてのJ入会条件を満たさなければならない。その条件の中には収益性を高め、経営を安定化する必要もある。
「これまで15年間鹿児島県民に親しまれてきた名称を変更するリスクは大きい。一部サポーターの中には反対の声もあるが、そのリスクを背負ってでもこのタイミングで名称変更をすべきと判断した」と明かす。
鹿児島は鹿児島実業高校や鹿児島城西高校、神村学園高等部など全国トップクラスの強豪校があり、遠藤保仁選手や松井大輔選手など多くのJリーガーの供給県となっている。「鹿児島に縁のある方々がプロサッカー選手を目指す際の受け皿になれれば」と中島さんと前田さん。前田さんと中島さんは鹿屋体育大学(鹿児島県鹿屋市)に通っていた。
「根本にあるのは鹿児島を盛り上げていきたいという思い。その手段の一つとしてのプロのサッカーチーム。だから、新チーム名に関しても『鹿児島』の文字を必須とし、鹿児島の方々に愛着をもっていただくチーム作りをしていきたい」と2人は語る。
すでに80通を超える応募があるという。募集締め切りは6月15日(当日消印有効)。新チーム名は8月以降、ヴォルカ鹿児島ホームページなどを通じて発表を予定する。