ベビーカーにチンチラゴールデン6匹・ヒマラヤン3匹の猫を入れて天文館アーケードを散歩する天文館のプチ名物「猫おじさん」が3月末で見られなくなることが分かった。
「猫おじさん」は、6年前に単身赴任で鹿児島に来てからというもの、週末になると飼い猫を連れて天文館アーケードを散歩するという生活を続けていた。しかし3月末、勤務先を退職するのを機に鹿児島を離れる予定という。
猫に触れたり写真を撮ったりしようと人が寄ってくると立ち止まって猫を起こすなど気さくな人柄もあって、「猫おじさん」の周りには人だかりができていた。お決まりの散歩ルートは、山形屋の正面入り口から中町を抜け、にぎわい通り、天文館本通り、市電沿線を横切って天文館むじゃきや地蔵角交番までの往復路。土曜日は夕方、日曜日は午前中から夕方にかけて、ゆっくりと散歩を楽しむ姿は天文館のプチ名物になっていた。
「最初は子猫だったこの子たちも今や5歳」という手入れの行き届いた猫たちは、この日もおとなしくベビーカーの中で寄り添い時折喉を鳴らす。ベビーカー足元のバスケットには、「かむので注意」という札とともにお父さん猫「ラッキー」が鎮座。「いろいろな人にかわいがってもらえて、猫たちもいい子に育った。猫たちをかわいがってくださるほほ笑ましい光景が私にとっても癒やしだった」と「猫おじさん」。
今後については、東京に進出して「猫おじさん」を続けることも考えているという。「犬と同じくらいの市民権を猫も得られれば、例えば野良猫は減らせるはず。猫が散歩してもおかしくない社会にしたい」と「猫おじさん」は話した。