いおワールドかごしま水族館(鹿児島市本港新町、TEL 099-226-2233)で3月13日1時57分、ゴマフアザラシの雌の赤ちゃんが誕生した。同館においてゴマフアザラシの出産は初めて。
寒い地域に住むゴマフアザラシを南国鹿児島でも見てもらいたいと、水族館協会に加盟している「おたる水族館」より2013年、母ゴマミ(4歳)と父ゴマタロウ(6歳)の2頭を引き取った。
今回ゴマミにとっても初めての出産だったため、24時間態勢で飼育員が見守る中、無事出産を終えることができた。出産後すぐに赤ちゃんにおっぱいをあげるため、懸命におなかを出して赤ちゃんを誘導していた様子だったが、なかなか飲ませることができず人工飼育に切り替えられた。赤ちゃんは与えられた人工ミルクをしっかり飲み、出生時8.6キロあった体重が1週間で9.5キロへと約1キロ近く成長している。
ゴマフアザラシの赤ちゃんの成長は早く、3~4週間ミルクで飼育後、大人と同じように魚などを食べる。同時期、長い毛で覆われていた体も大人と同じ毛に生え変わるという。いおワールドかごしま水族館で生まれた赤ちゃんも生後4日目には鼻先から目の周りにかけて毛が少し短くなり、ゴマフ模様が出てきている。
赤ちゃんの成長とは裏腹に、産後に餌を食べなくなったゴマミは3月18日12時50分に死んでいることが確認された。死因については、鹿児島大学獣医学部の協力を得て病理審査などを行い調べていく。
展示課課長、佐々木さんは「皆さまに早く赤ちゃんをお披露目できればと思っている。皆さまにはもっと多くの海の生き物を見て、知って、興味を持ってもらいたい。鹿児島からプロフェッショナルな人材が生まれていけばうれしい。そのためにも、今後さらに生き物展示の幅を広げていきたい」と意気込みを見せる。
現在、赤ちゃんは予備水槽で飼育しているため一般公開されておらず、公開時期も未定。フェイスブックページで赤ちゃんゴマフアザラシの成長を確認できる。
赤ちゃんの名前は一般公募の予定。