「名水」のある全国の自治体が集まり、水環境の保全などを考える「名水サミットinかごしま」が10月5日、かごしま県民交流センター(鹿児島市山下町)で開催される。
環境省が選定した「名水百選」の所在市町村が連携し、水環境保全の推進と水質保全意識を高めることを目的に設立された「全国水環境保全市町村連絡協議会」と鹿児島市が主催する同イベント。鹿児島県における開催は、1996(平成8)年の旧屋久町(現屋久島町)以来23年ぶりの開催で、鹿児島市での開催は初めて。
鹿児島市では、市の中心部を横断して錦江湾に注ぐ甲突川の源流であり、「穣(ゆたか)の水」として親しまれる甲突池(郡山町)が「平成の名水百選」に指定されている。
5日に開かれる「名水シンポジウム」では、鹿児島大学名誉教授・大木公彦さんが名水の紹介を、北京オリンピック競泳銅メダリスト・宮下純一さんが基調講演を行う。NPO法人「かごしま市民環境会議」理事長の村山雅子さんなど4人のパネリストによるディスカッションも予定する。テーマは「水が与えてくれるもの。そして、地球をめぐる水のために私たちができること」。
屋外イベント「水の広場」では、水にこだわった飲食コーナー「クラフトビール」(城山ホテル鹿児島)、「カレー」(カレーテリア沙羅)や、楽しみながら水を学ぶワークショップ「吸水ポリマーでアクアリウム作り」「手作りスノードーム」などが出店する。
パネルディスカッションでコーディネーターを務める同大大学院理工学研究科教授・冨安卓滋(たかし)さんは「現在の日本では、安全な水がすぐに手に入らない生活を想像することは難しい。その分、水はとても貴重なものであるにもかかわらず、日常生活の中でそのありがたさを感じることは少なくなっている。鹿児島の水の魅力、水の恵みを再確認するとともに、水環境を守り、生かすために私たちにできることについて、一緒に考える機会にしたい」と来場を呼びかける。
開催時間は13時~17時(屋外イベントは10時~)。入場無料。