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自宅開放型の猫カフェ「そらのしっぽ」 姶良に移転して1周年

「そら社長」を抱える店主の中村順子さん

「そら社長」を抱える店主の中村順子さん

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 鹿児島県姶良市にある自宅開放型の猫カフェ「そらのしっぽ」(姶良市加治木町)が2月2日、天文館から移転オープンして1周年を迎える。

「そらのしっぽ」の猫

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 静かな住宅地の一角にある同店。一軒家の4畳半と6畳の2部屋がつながった広さが猫ルームで、猫の数は11匹。看板猫の「そら」以外は保護猫だったという。

 移転前は天文館の雑居ビル9階で「そら猫」として10年間営業した。店主の中村順子さんは「猫も年をとってきたので、ゆっくりとやっていきたい、猫のケアを自宅で行いたい、という気持ちがあり、一軒家を探した」と話す。友人からの紹介で戸建てを見つけ、クラウドファンディングで資金を集め、元は畳だった部屋をフローリングにリフォームした。

 同店は完全予約制かつ貸し切り制で、料金は1人(50分)=1,000円、中学生・小学生=700円、65歳以上のシニア=500円。1日6組まで。1組当たりの定員は5人で、1人客から貸し切りになる。この形式にしているのは、「高齢者や癒やしを求める人に静かな環境で利用してほしいため。通常の猫カフェのように不特定多数の人とシェアする状況では落ち着かないはず」とも。

 愛護団体も運営する中村さんは、殺処分問題の先行きについても懸念を抱く。「ホームに入所するなどの理由でペットを飼えなくなる高齢者は少なくない。現在、猫の殺処分の7割は子猫が対象だが、数十年後には飼い猫がその対象になる恐れがある。飼えなくなったペットの受け皿を考えていかなくては」とも。同店で「飼えなくなった猫」の引き取りは行っていないが、行き場のないペットの相談は年々増えているという。

 「福祉施設やシニアホームなどで、1部屋でもいい、当店のような猫ルームを作ってくれれば、入所者はもちろん、スタッフにとっても癒やしになる。面会に来た家族とも猫ルームで時間を過ごせば、猫が話題も提供してくれる」と中村さん。「そんな施設があれば、自分も将来入りたいと思う。もちろん猫が嫌な人もいるので、当店のように領域を決めて猫ルームを設置することは可能だと伝えたい。当店がそのモデルケースになれれば」と期待を込める。

 営業時間は11時~20時(または6組目が退室した時点で閉店)。不定休のため、フェイスブックで営業日の事前確認を呼び掛ける。

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