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鹿児島・上荒田町で48年続くパン店「フランセ」が刷新 昔ながらの味はそのままに

「パンの店フランセ」の店内

「パンの店フランセ」の店内

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 鹿児島市電・中洲通電停近くにある「パンの店フランセ」(鹿児島市上荒田町)が11月4日、リニューアルオープンした。

「パンの店フランセ」のちくわパン

 同じ場所で家業として94年、パン店として48年続く同店。「歳月は簡単に積み上げられるものではないので、『その土地で続けていく』という気持ちを大切にしている」と、店主の娘でシンガー・ソングライターの東郷さくらさん。「店の前は以前、荒田川が流れていたが、ふたをされて道路になり周辺の景色も人の流れも変わった。これは店舗前の中洲通りに建設中の東西道路工事のためだが、工事は当面の間終わらない。影響は大きく、店の前を散歩する人も随分減った」と話す。そうした中、「人の流れを変えることは簡単ではないが、自分たちが変わることはできる」という思いで、店舗改装に至ったという。

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 店に入ってすぐの場所にある大きな鏡は1967(昭和42)年に設置したもの。元はシャンデリアのメダリオンで照明器具として使っていたが、今回のリニューアルで鏡に生まれ変わった。店内中央にあるステンドグラスの照明は、昨年亡くなったホワイトギャラリーのステンドグラス作家・三坂基文さんの遺作で「三坂夫妻には大変世話になり、影響も受けた。リニューアルのことも相談していたので、この作品を見る度にいろいろな思いが湧く」と東郷さん。

 「パン棚などは以前のままで、母が『パン屋のおばちゃん』として相変わらず看板娘なのもそのまま」。48年前からほとんど変わっていないという商品の中で「お薦め」は、東郷さんの父が作るバンズと母が作る総菜で完成する「サンド系総菜パン(180円~)」。中身は煮込みハンバーグ、卵サラダ、オリジナル漬けだれのチキン南蛮などで、全て「おばちゃんオリジナル」。「娘の私にとって最強の『両親の味』。大人になった今も食べ飽きることはない」とも。

 作り始めて15年の明太マヨネーズ入り「ちくわパン」(180円)や、東郷さんの父が48年前にドイツ人から習ったという「ドイツパン」(500円)などもある。当時は「酸っぱい」と言われた全粒粉やライ麦のパンは50年近い歳月の中で親しまれ、「今では人気の定番商品」になった。

 東郷さんは「店が開店した1972(昭和47)年は、指で数えられるほどしかパンの店はなかったが、今はその当時が信じられないほどの数の店がある。そんな中で48年間続けられているのは、お客さまのおかげ。本当に感謝したい」と思いを込める。

 営業時間は10時~19時ごろ。駐車場は2台。