「まち」を歩き、自分たちが住む「まち」を見つめ直すことにより「再発見」すると同時に、多くの市民に「上町」を知ってもらおうというまち歩きイベント「さるっきんぐ」が10月22日、上町・JR鹿児島駅エリアで開かれる。
「上町地区は、薩摩藩島津家ゆかりの4居城(鶴丸城、東福寺城、清水城、内城)を含め、歴史と伝統文化のあふれる町」と話すのは、同イベントを主催する上町タウンマネジメント代表幹事の内村文泰さん。
しかし、「JR鹿児島駅の本駅としての機能が西鹿児島駅(現・鹿児島中央駅に移管されて以来、上町地区を中心とする鹿児島駅エリアの衰退が始まり、県庁の移転がそれに拍車をかけた。鹿児島市の中心地区であるがゆえの地価の上昇もあって空洞化が進んだ結果、地区住民の減少、高齢化率も高まってきた」という。
そこで、内村さんたちは鹿児島市の呼び掛けに応じ、2007年から「まちづくりガイドライン」の作成に取りかかった。2010年にはガイドラインが完成。その実践団体として立ち上げられたのが上町タウンマネジメントだ。
「さるっきんぐ」は、鹿児島の方言で「歩きまわる」ことを「さるく」ということに由来する造語。今回の「さるっきんぐ」では、上町のものづくりをコンセプトとした「シルミルコース」(定員10人)、自由に歩きたい人のための「フリーコース」(定員なし)、上町の歴史を巡るガイド付き「歴史巡りコース」(定員200人)の3つのコースを設定した。
これまで、まち歩きイベント「さるっきんぐ」のほか、まちづくりサミット「上町學舍」、「多賀山の樹木観察会」、「干潟の生き物調査・観察会」など市民参加型の多彩な事業を実施している。内村さんは「まずは上町を多くの市民に知ってもらうことから上町地区の活性化を図り、ゆくゆくは各地域のまちづくり活動とも連携して鹿児島を盛り上げていきたい」と意気込む。
参加費は、一般=1,000円、中学生以下=500円、3歳以下無料(資料・記念品・保険・ぜんざい代など含む)。参加申し込みの締め切りは10月15日。