鹿児島の画家・きはらごうさんの個展が10月1日、ギャラリー白樺(鹿児島市泉町)で始まった。
西洋絵画の古典技法・テンペラを使って絵画を描くきはらさん。九州産業大学の大学院・芸術研究科で美術を修了後、フランス・パリに3年留学。帰国後、鹿児島県内で高等学校の美術教師を務めながらアート活動を続けてきたが、今年3月に退職し、画家としての活動に専念することを決めた。5月には合同会社「Go ART」を設立、画廊経営や企画制作・販売などアートディレクターとしても活動していくという。
これまで東京、福岡、鹿児島、パリなど個展は30回以上を開いているが、独立後に鹿児島市で開くのは今回が初めて。会場には約100点を展示。うち新作は50点ほど。マグカップ、ノート、スニーカー、やかんなど、身近な品を一点一点描いた作品、猫をテーマにした作品、赤・青・緑など色違いの桜島を描いた作品などが並ぶ。
会場ではきはらさんが実際に卵テンペラで彩色する作業も公開。卵の黄身で鉱物から作られた粉末の顔料を溶き、幅約3メートルのびょうぶ絵を小さなマス目に沿って彩色する。期間中、ほぼ毎日在廊し、来場客が制作シーンを見学できるようにするという。
定年を待たず、46歳になる今年独立したのは「できる内容が変わってくるから」ときはらさん。「鹿児島の文化芸術面を底上げしていきたい。かつては美術の歴史を作り上げていた地でもある。その流れを取り戻し、盛り上げていければ」と抱負を明かす。
開催時間は11時~18時(最終日は17時まで)。10月12日まで。