鹿児島・中山町の体験型農園「てのんでファーム」(鹿児島市中山町、TEL 070-2036-1022)が12月4日、園内に農家レストランをオープンした。
今村さん夫婦が経営する同園。子どもや親子を対象に、1年を通して植え付けや収穫など農業体験の場を提供してきた。今秋、体験の内容を羽釜飯、豚汁、カレー、ピザなどの調理体験にも広げ、採れたての野菜で料理も提供しようと、レストラン棟を新築した。
農園を望む側のウッドデッキは夫の正次さんがDIYで造ったという。リビングルームには中央に大きなテーブルを備え、8席を用意。個室が2室あり、農園が見える側の部屋にはテーブル1卓4席、道路側の部屋には4~5人で利用できる座敷席を用意する。
ランチの主力となる「てのんでランチ」(1,200円)は月替わりで、旬の野菜を使ったメイン料理に羽釜で炊いたご飯、サラダ、小鉢、デザートなどが付く。12月は大根、シイタケ、白菜、深ネギ、ホウレンソウの鍋がメインで、つけだれにはポン酢や同園で栽培したみかんだれを添える。
クリスマスには、鶏やコールラビを使ったクリーム煮も加わる予定。1月のメインには収穫の続く大根を使ったおでんを予定する。料理に添える冬瓜のドレッシングやピクルスは鹿児島市の女性農業者を中心とする組織「ポタジェファム」のメンバーが同園で栽培した冬瓜で作ったもので、店内で販売も行う。
そのほか、ピザランチ(850円)も用意。喫茶メニューには、同園のミカンを100%使ったジュースやケーキセット、抹茶セットなどがある。
調理は妻の理恵さんが担当する。飲食業の経験はないが同園の無人販売所の利用客から「この野菜はどうやって食べるとおいしいの?」とよく質問されたことから、調理例を提案してきたという。理恵さんは「いくつかの野菜の組み合わせでおいしさが増す。でも実際に食べてもらうのが一番分かりやすいと思い作ることにした」と話す。「開店以来、てんやわんやファームになっているが、忙しいだろうからと農作業を手伝ってくれる方、立ち寄っていろいろアドバイスをしてくれる方がいて、自分の店のように助けてくれている」とも。
正次さんは「スーパーに行けば何でも手に入る時代。たとえ農家に生まれた子でも、農作業に関わることは少ない。毎日食べる物がどのように育つのかを体験で知ってもらいながら、採れたての野菜のおいしさも伝えていければ」と期待を込める。今後、園内にはピザ窯も設置する予定。
レストランの営業時間は火曜・水曜・金曜・土曜の11時~15時30分。予約を勧めており、ランチの開始時間は11時~、12時30分~、14時~から選べる。予約は電話とインスタグラムのDMで受け付ける。