鹿児島のNPO法人「ルネスかごしま」(鹿児島市照国町)が現在、「鹿児島県内にまず3カ所の民間DV(家庭内暴力)シェルターを作ろう」とクラウドファンディング(以下CF)で支援を呼びかけている。
2017(平成29)年に発足し、「生きづらさを抱える全ての人と一緒にこれからのことを考える」活動を行う同NPO。「たにかつさん」が愛称の谷川勝彦さんを代表に、飲み物と菓子を用意した「ひだまりカフェ」や「フリーコーヒー」、ひきこもり相談会、傾聴講座、訪問相談、学習支援、生活困窮者やひとり親世帯への支援を全て無料で行っている。
活動を続ける中、DVや虐待など家庭内の環境悪化で「家に帰れない」「行く場所がない」人が「安心して落ち着くまでの期間を過ごせる場所が必要」と感じていたという。「公立の施設では市町村在住者でないと居住できないなど要件が厳しい」ことから、「誰もが必要な時にすぐに駆け込むことができる民間施設」としての運営を目指す。
3カ所の候補地は既にあり、使わない空き家を所有する人から「破格の家賃」で借り受けた。冷水町にある施設は自己資金を元に5月から稼働させており、DVから逃れてきた子連れの親子など緊急性の高いものへの対応を始めている。
CFの当初の目標だった100万円は100時間で達成。現在、ネクストゴールを300万円に設定している。支援金は施設やシェルターの家賃、水道光熱費、消耗品などの購入費、所持金もないまま施設に避難してきた人のための食費などに充てる。
シェルターとしての機能のほか「空き家対策にもなる」と谷川さん。「(今回のCFで)困っている人たちに使ってほしいと場所を提供してくれる空き家の所有者にも出会えたら」とも。
CFは「READYFOR(レディフォー)」で9月11日まで。