鹿児島・天文館のショップ&ギャラリー「SOMETHING(サムシング)」(鹿児島市東千石町)で12月14日、薩摩川内市の絵描き・あやつきしろさんの初個展「仮題 化物展」が始まった。
あやつきさんは福祉系の大学を卒業、障がい者支援の事業所に支援員として8年勤めたが、「絵を描きながら生きることを諦められず」退職。3年ほど前から県内の公募展やグループ展、セレクトショップとのコラボイベントなどで作品を発表してきた。現在は一般企業に務めながら、「不思議世界クリエーター」としてアート活動を続けている。
「主に日常のすぐそばにある不思議な世界や夢で見た世界、不思議な生き物を想像し表現している」とあやつきさん。「過去の作品からもっとたくさんの人に見てもらいたいものをまとめて公開」しながら、「楽しんでもらえる場を作りたい」という思いで企画したという。
あやつきさんは「化け物」を「人間の心」や「人が生み出したもの」と位置づける。「人と形が違うから」「危険だから」「原因不明の病気や現象のように理解できないものだから」など、「化け物を生むのはいつも人間であり、人間こそが化け物なのかもしれない」。そんな思いから個展タイトルには「化け物とは実は人間のことかもししれないが、ここでは仮に化け物と呼ぶことにする」という意味で「仮題」を頭に付けたという。
会場には、化け物をテーマにした作品10点、「おばけらしきと猫らしきシリーズ(小作品)」20点、クリスマスに合わせて制作した作品(絵本原画)が並ぶ。画材は透明水彩、アクリル絵の具が中心。
「私の作風は作品によって少しずつ雰囲気や描き方が変わるのが特徴。一つにとどまらないが全体的にはどこかまとまっている、そんな会場の雰囲気を楽しんでもらえれば」と来場を呼びかける。
開催時間は11時~18時。入場料200円。今月25日まで。