鹿児島・天文館のインテリアショップ「inhouse(インハウス)」(鹿児島市東千石町、TEL 099-226-4321)2階で4月28日、「アートギャッベ200枚展」が始まった。
ギャッベとは、イラン南西部(南ペルシャ)の遊牧民族であるカシュガイ族がテントの中に敷くじゅうたんのこと。健康や誕生を祝う「生命の木」や家庭円満や子孫繁栄を願う「シカ」「羊」などの生き物や風景が図案にされることが多い。アカネの根など植物から取れる染料を使い、部族の織り子(女性)が一目ずつ手織りで作り上げていくが、決まった図案は無い。数カ月~数年かけて織り子の感性で織られていくため、同じものは二つとない。
「目が詰まっているのでゴミが入り込まない。羊毛の油分を抜かずに染めるので、水をはじきやすいなど汚れに強く掃除が楽。厚みもあって、もともと土足生活で使われるじゅうたんなのでかなり丈夫。家で使うなら100年くらいは持つ」と担当の齋藤日佐子さん。
「調湿作用に優れていて、冬は暖かく夏でも熱がこもらずサラッとしている。化学で染められたものは色あせるが、草木染は皮と同じで味が出る。例えば、しょうゆをこぼして薄くシミが残っても、自然のもの同士なので、もとの色むらと相まって自然な感じになる(笑)経年変化が魅力」とも。
同展ではタペストリーやイスに敷く小さいサイズ(約30×33センチ、1万5,000円~)や、キッチンに使える縦長タイプ、カーペット用(約2メートル×3メートル)の大判まで、さまざまな大きさを用意する。併せて、30~40年前に化学薬品で染めた羊毛で織られたギャッベも展示する。当時は薬品が高価だったため、化学薬品で染めたギャッベはとても貴重だったという。
「織り子さんの愛情や手仕事の良さを感じてほしい」と齋藤さん。
営業時間は11時~19時。5月6日まで。