3月3日のひな祭りを間近に控え、鹿児島の「仙巌園」(鹿児島市、TEL 099-247-1551)では、「春まつり」と題し、ひな祭りに関するさまざまなイベントを開催している。
薩摩切子工場横にある「磯工芸館」(薩摩切子ギャラリー、TEL 099-247-8490)では、薩摩切り子のひな壇を表現した「2013年 薩摩切子・ひな壇飾り」を展示している。ひな人形に見立てた薩摩切り子を、7段のひな壇に飾ったもので、「篤姫」をテーマに今回で3年目の開催。製作者は一度途絶えてしまった薩摩切り子を約100年ぶりに復興させた第一人者で「櫻龜(おうき)」の名を継いだ中根さん。ひな壇に並ぶ切り子は「篤姫シリーズ 酒器揃」で、篤姫の愛らしさや凛とした気概を表現しているという。
過去3年間を通して「篤姫」をテーマに作られている同企画。回を重ねるごとに来館客は増え、ツアーで仙巌園に訪れた観光客も磯工芸館まで足を延ばしていると言う。「今後も薩摩切り子を中心に、県内の作家、鹿児島や島津家に由縁のある作品を展示することで、鹿児島の伝統や芸術を発信していきたい」と店長の岩切ひとみさん。展示は3月31日まで。
ひな祭り当日、園内の曲水の庭では、女性の幸せを祈る神事「流しびな」を行う。流しびなは平安時代から伝統的に行われてきた行事で、穢(けが)れを身代わりとなるひな人形(ひとがた)と共に川に流し、厄を払うというもの。日本各地でさまざまな方法で行われているが、同園では仙巌園では輪切りにした竹の中に小さな「お内裏さま」と「おひなさま」の人形を入れた「竹びな」を、曲水の庭の清流に流す。参加者は女性限定、事前予約が必要だが、すでに定員を満たしている。流しびなの様子は外から誰でも観覧が可能。
同園では春まつり期間中、島津家伝来の人形とひな道具を展示するほか、「御膳所・桜華亭」で期間限定御膳の「ひなの花咲御膳」を提供、和風喫茶「竹徑亭」では抹茶を注文すると桜餅をサービスする。売店には春にちなんだ限定グッズも並ぶ。開催期間は4月7日まで。
営業時間は8時30分~17時30分。入園料は1,000円(小・中学生=500円)