シリーズ累計2400万部を数える人気絵本「ぐりとぐら」が誕生50周年を迎えたことを記念して7月20日、長島美術館(鹿児島市武3、TEL 099-250-5400)で「ぐりとぐら展」が始まった。
同館開館25周年も記念した同展は、全国6カ所、九州では鹿児島のみの開催。20日には500人が来場するなど初日から盛況だったという。子どもと両親、祖父母など3世代で来場する姿も多く見られた。
中川李枝子さんと山脇百合子さんの姉妹による同作品は、双子の野ネズミ「ぐり」と「ぐら」が主人公の物語。1963(昭和38)年の誕生以降、現在までに世界11カ国語で翻訳されるなど、世代や国境を越えて人気を集めている。
会場には「ぐりとぐら」全7作品のほか、姉妹のデビュー作である童話「いやいやえん」など170点以上の原画を展示。絵本化されていない「幻の一編」と言われる「グリとグラのピクニック」の白黒挿絵も登場する。会場のデザインを手掛けたのは家具デザイナーの小泉誠さん。大型絵本や、物語に出てくる「大きな毛糸玉」「卵」「カボチャ」のモニュメントなど、「物語の世界に入り込んだような楽しさ」を味わえるような仕掛けを施す。
中川さんと映画監督・宮崎駿さんの対談映像や、海外版の展示、読書コーナー、グッズ販売コーナーも設ける。「ポストカード(全54種)」(150円)をはじめ、展覧会図録(2,000円)、「ちいさなノート(全2種)」(500円)、「ハンカチ(全7種)」(1,000円)、「トートバッグ(小、全3種)」(1,800円)など。シリーズの絵本もそろえる。
「原画はなかなか見ることができないので、お持ちの絵本との違いなどを楽しんでいただければ」と同館広報の牧内久美子さん。
開館時間は9時~17時(入館は閉館の30分前まで、8月30日は19時閉館)。チケットは、一般=900円、高大生=600円、小中生=300円、幼児=100円。プレイガイドのほか、山形屋、コープかごしま、高木画荘、大谷画材、集景堂で取り扱う。