鹿児島大学の学生が大学内の施設と大学周辺のグルメを紹介する「鹿児島大学・騎射場周辺観光マップ」が12月10日、完成した。

井原ゼミ（マップ作成メンバー）

　マップを作成したのは鹿児島大学・法文学部経済情報学科の井原ゼミ。同ゼミでは、「作品を作る人・アート作品」と「見る人」をつなぎ、アートで人や鹿児島を元気にする「アート・マネジメント」に取り組んでおり、「鹿児島市ギャラリーマップ」（ウェブ版）の制作や作品展の企画・運営などに取り組んできた。

　「鹿児島大学・騎射場周辺観光マップ」は、2年～4年のゼミ生と井原慶一郎教授が、「学生気分を満喫しよう」というコンセプトで「おすすめ」する店舗を紹介する文庫本サイズのカラーマップ（広げるとA3ノビ）。大学の正門が面する高麗本通りから、騎射場電停がある電車通りまでの地図を描き出し、1人1店ずつ、計14店を掲載。企画、紹介店のセレクト、表紙やキャッチコピー、取材・写真・紹介文など、学生たちが全てゼロから作り上げた。

　企画が4月から始まったが、「十数人で話し合うので意見がまとまるまで大変だった。デザイナーに作りたいものを言葉で伝えるのも苦労した」と振り返るのは、今年ゼミ長を務める福元さん（4年）。約6カ月を費やして完成させたマップは、手描き風の地図にランダムに並んだ店舗紹介、ガタガタに切った写真や「イチオシ！」情報など、「にぎやかでごちゃごちゃした自分たちの持つ騎射場周辺のイメージと、学生に戻った感じを出すレトロ感を表現できた」という。

　「毎週あるゼミでとことん話し合い、全員で作ったマップ。店のこだわりを知ることもでき、より一層その店が好きになり、とてもいい経験になった。鹿児島に観光に来た方も、この地図を片手に騎射場の方まで足を延ばしてもらえたら」と福元さん。井原教授は「自分たちで企画して自分たちで作りたいものを作ったのだから、作ったものに責任を持ってしっかり社会に還元していってほしい」と期待を寄せた。

　発行部数は3000部。マップは現在、鹿児島中央駅付近のホテルや紹介店舗、同大インフォメーションセンターなどに置かれている。