鹿児島市の音楽スタジオ｢WALK INN STUDIO！｣（鹿児島市中央町）と、同市のライブハウス｢Live HEAVEN｣（鹿児島市東千石町）で9月29日･10月1日の2日間、「東北ライブハウス大作戦」ドキュメンタリームービー上映会が開かれた。

東北ライブハウス大作戦とWALK INN STUDIO！のグッズ

　東北ライブハウス大作戦とは、2011年の東日本大震災後に「被災地に音楽を通して人と人とがつながる場をつくりたい」と、東京のライブツアーPAチームが中心となって企画され、全国の賛同者からの寄付によって三陸沖沿岸地域にライブハウスを建てたプロジェクト。同スタジオは4年前にも上映会を投げ銭制で実施、同プロジェクトを通じて収益を東北のライブハウスへ寄付した。昨年4月に発生した熊本地震以降はNPO法人「幡ヶ谷再生大学」（復興再生部）と連携し、鹿児島で活動するミュージシャンらを中心とした若い世代とともに、熊本県阿蘇郡南阿蘇村や九州豪雨災害によって被害を受けた福岡県朝倉市へ訪問、現在も復興支援を行っている。

　今回は同ムービーに加え、今年3月にスペースシャワーTVで放送された「東北ライブハウス大作戦～繋ぐ～2017」も同時上映。東日本大震災から6年たった現在の様子、熊本地震時の被災地支援の様子などが紹介され、集まった参加者は真剣な面持ちでスクリーンを見つめていた。上映会終了後には同作戦のラバーバンド（500円）や今回の上映会に合わせて作製されたコラボ手拭い（800円）など、グッズを買い求める人も多かった。

　同スタジオの野間太一さんは｢今回の上映会はほかの誰でもなく、自分たちのために開いた。復興支援は続けていかないといけないけれど、やりすぎも良くないと思う。実際には経験してみないと気付かないことも多いだろうが、自分たちの住む街は自分たちで守り、創り上げる。そのためにまずは知ろうとすることが大事なのでは｣と話す。「今回はスペースシャワーTVの厚意があって実現した。身近なところから広めていき、ライブハウスがいざというときに駆け込める場所になればいい。普段から気軽に立ち寄ってもらいたい」とも。

　今後の上映会は未定。「タイミングが来たら開催する」と野間さん。