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いちき串木野で「鬼火焚き」 12メートルのやぐらを燃やし無病息災祈願

約12メートルの櫓が燃える様子

約12メートルの櫓が燃える様子

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 鹿児島県いちき串木野市の羽島地区公民館(いちき串木野市羽島)で1月14日、羽島地区恒例の「鬼火焚(た)き」が行われた。

見守る住民ら

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 鬼火焚きは、竹でやぐらを組み、役目を終えた門松、しめ縄などの正月飾りと共に焼いて鬼や悪霊を追い払い、その年の無病息災を祈願する伝統行事。地域によっては「左義長(さぎちょう)」や「どんと焼き」と呼ばれ、鹿児島でも県内各地で七日正月や小正月頃に自治体などが中心となって行っているが、近年は「環境汚染につながるのでは」と懸念する声や過疎化の影響などで取りやめる地域も増えている。

 同地区の青年団「羽島青年学級」の副学級長・坂口雄介さんによると、同地区では元々は各集落で行っていたが、20年前からは「いきいき愛羽会」が主催し合同で行っているという。

 当日は朝8時から住民60人がモウソウダケやササ、木材などを用いて櫓(やぐら)を組み立て、7時間かけて高さ約12メートルの櫓を完成させた。17時から神事を行い、今年厄年の男女と年男・年女の人々が点火。集まった約150人の参加者は振る舞われたぜんざいを楽しみながら「燃えろ、燃えろ」「あがれ、あがれ」などと歓声を上げた。火は23時頃まで燃え続け、鎮火するまでの間は20人ほどで「火の番をしながら飲ん方(飲み会)を楽しんだ」という。

 坂口さんは「住民の中には竹や木で土地が荒れて困っている人もいるので、鬼火焚きにはそれをきれいにする役割もある。結果的には地域を守ることにつながっていると思う」と話す。「地域に育てられて今がある。羽島地区を盛り上げるためにも、鬼火焚きは続けていきたい」とも。

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