暮らす・働く 学ぶ・知る

鹿児島・錦江湾に深海? 身近な海の知られざる驚きを展示

深海魚「リュウグウノツカイ」の標本

深海魚「リュウグウノツカイ」の標本

  •  
  •  

 鹿児島県立博物館(鹿児島市城山町)本館1階で現在、企画展「錦江湾の深~い話」が展示されている。

大地の裂け目「鹿児島地溝」

「鹿児島で暮らす私たちにとても身近な錦江湾(鹿児島湾)だが、深海を持つ内湾として全国的にも珍しい環境」だという同館学芸主事の多久島徹さん。「深海の定義は200メートルよりも深いところ。錦江湾とほぼ同じ面積の東京湾は最深部でも70メートルほどしかない。錦江湾は内湾でありながら、200メートル級の深海がある」と話す。

[広告]

「その深さは大地の裂け目がもたらした」という。「日本はプレートが沈み込む場所にある。プレートが沈み込むと、深さ100キロあたりのところでマグマが発生する。熱源のあるところは大地が裂けていくので、深さが生じる」とも。その大地の裂け目は「鹿児島地溝」と呼ばれ、桜島や新燃岳、硫黄島など、現在活発な鹿児島の火山の全てが同地溝の中で活動しているという。かつて大規模噴火を起こしたカルデラ(くぼ地)も4つ入っており、同展では各カルデラの位置や海底地形図なども展示している。

 このほか、展示標本の見どころは20年ぶりに一般公開する深海魚「リュウグウノツカイ」(3.8メートル)。約40年前に垂水市の海岸に打ち上げられていたもので、生体は200メートルよりも深いところに生息する。実際のものはシルバーで青い斑点がつき、背びれは赤いという。同展では、深海の生き物のほか、サンゴや干潟など湾を取り巻く環境に生きる生き物についても幅広く展示している。

 多久島さんは「錦江湾は普段見慣れている海でありながら、知らないことも多い。実は普通の海とは違う、すごいところだと、この展示で知ってもらえれば」と来館を呼び掛ける。

 開館時間は9時~17時。月曜休館(月曜が祝日の場合は火曜)。入場無料。2月24日まで。