鹿児島・名山町のレトロフト千歳ビル2階ギャラリー「レトロフトMuseo(ムゼオ)」(鹿児島市名山町、TEL 099-223-5066)で4月14日、企画展「土をめぐる」が始まった。
同ビルがリノベーションから10周年を迎えたことを記念して開く同展。会場では、鹿児島県内58カ所で採取された土のサンプルや土を使ったアートのインスタレーションを展示する。同ビルオーナーで同展を企画した永井友美恵さんは「食べ物から衣類まで生活のあらゆるものが土に関係している」と気づき、鹿児島中から集めてみたという。各地の土の色や質感はさまざまで、「鹿児島は火山が多いため土の種類も多いのでは。その多様性に驚かされた」と話す。
同展は土質の多様性を「アートの視点からとらえ俯瞰(ふかん)する試み」で、インスタレーションは美術家の平川渚さんが担当。染織家でもある永井さんの土染め作品や、平川さんによる土を水彩絵具のように使った作品、蛍松窯(けいしょうかま)の「森の器」シリーズ、草学舎の松山千鶴子さんによる苔玉・寄せ植えなどと共に空間を演出している。
永井さんは「土は細菌や微生物が分解したもので、目に見えない生命がたくさん詰まっている。昔の人は土に霊力を感じ、地鎮祭なども行ってきた。土とのつながりに改めて気づく場になれば」と来場を呼び掛ける。
開催時間は11時~18時。4月18日は休廊。入場無料。今月20日まで。